2012年11月14日水曜日
Gilera DNA180
更新のネタもないのと、一部では興味のある方もいらっしゃると思うので。
Gilera DNA180
Gilera はイタリアのレースバイクメーカーでは古参の部類ですが、近年ではPIAGGIO社の傘下に入り、ピアジオ社からのエンジンの供給を受けて、スクーターを作っているメーカーです。
2スト、4ストのバイクのラインナップが過去にはありますが、近年では、4ストのスクーターがメインになっています。
世界最大排気量のスクーターであるGP800もそのひとつです。
また、Runnerシリーズは、世界でも最速スクーターのひとつで、特に2ストのランナーのパワーはいまだに高い人気を誇っています。
もちろん、往年の名車であるサトゥルノをご存知の方も多いでしょう。
さて、DNA180は、そんな中でも近年に発売されたGileraのバイクですが、そのコンセプトはストリートマジックや、NC700X ABS DCTなどと同じく、「オートマチックバイク」です。
わかりやすく書くと、ビッグスクーターとまったく同じつくりで、見た目だけバイクにしたものなのです。
ところが、当時の普通はバイクのエンジンは、ガソリンタンクの下にあるものなのですが、エンジンは後輪部と一体化していますので、代わりに、普段はエンジンがあるところにガソリンタンクがあります。
すると、ガソリンタンクが本来あるところがあきますので、そこがメットインになっています。
NC700Xに似ていますね。
そして重要なのは、バイクの形をしているにもかかわらず、オートマチックだというところでしょう。
イタリア車らしいデザインに、バイク形状でオートマチックということで、そこに目が行く人が自然と求める車体で、今でもオークションでみかけることがありますが、モノ自体が少なく、美車はあまり見つからないようです。
かく言う筆者も、この車両の50ccバージョン、DNA50を同じ目的で購入し、その後、DNA180を購入した重症患者です。
排気量は182cc。
かろうじて普通自動二輪ですので、高速道路も乗れます。
車検もありません。
普通自動二輪でのれます。
が、もちろんそんな便利そうなバイクが売れないには、やはりイタリア車らしいクセや、輸入品ゆえの欠点があるからです。
たとえば、消耗品や、定期交換するためのものを、正規輸入をしているナリカワがストックしていることがあまりない、ということです。
このあたりは、自衛のために先に購入しておいたり、代用品を把握するしかないでしょう。
また、イタリア車はよく壊れる、といわれるだけあり、初期不良だけでなく、突然の不調に悩まされるオーナーもすくなくありません。
そんなことはない、というオーナーもいますが・・・筆者の周りにはDNA180のオーナーが何人もいますが、トラブルがでたことがない、という人はいないですね。
作られた段階で欠陥としか思えない、密閉式の水冷循環装置と、われやすい水冷タンク。
エンジン振動でネジ部が磨耗して抜けやすいプラグ端子。
漏電しているかのようにあがりやすいバッテリー(メーターの維持でもしているのでしょうか)。
突然踊りだすメーター。メーターセンサーの不良
日本車と比べて、あまりに早く切れるドライブベルト(OEM品でやや対策できる)。
こういった部分に対して、DNA180を愛するオーナー達があつまる場所、「DNA180オーナーズクラブ」では、改善策を生み出し続けています。
水冷方式を、熱くなった冷却水がラジエーターキャップから外に逃げる、水圧で開放される弁つきのものに改良し、割れやすいタンクは除去して別のキャッチ&リザーバータンクを設ける方法を生み出したり。
バッテリーの収納場所の底面と、シートの裏側を削ることで、本来なら11A、あるいはYUASAでは10Aのバッテリーではなく、12Aのバッテリーが入るようにしたり。
プラグコードの取り回しをかえたり。
メーターセンサーの清掃の仕方を知ったり。
メーターが踊る現象をつきとめ、CDIの取り付け位置や、アルミホイルを巻く電磁対策をしたり。
そういった「改良」がされて、今、元気に走っているDNA180たちがいるわけです。
それらの改良には多少の手間や整備の技術、工具、整備する場所、お金、時間が必要で、それらを楽しむだけの甲斐性があればよいのですが、日本の原付のタフさを求めたり、整備なしで2万キロも走ってしまうような優秀なMT車と同じ感覚で乗ってしまう人は、ある日、突然、ツーリング中にベルトがきれてJAFを呼ぶ羽目になったりするわけです。
イタリアスクーターは、乗る本人が、整備をすることが当たり前になっていて、手を汚したくない人はこまめにショップ等に持って行き、信頼できるスタッフにメンテナンスや消耗品交換を任せなければなりません。
それでも乗りたい、というような、ある種、病気ともいえる偏愛がない限り、DNA180と長く付き合うことはできないでしょう。
ちなみに、ブレーキは強く握るときくタイプ。
つまり、レバーを引いても軽くきくだけで、急ブレーキ気味でとまるなら、レバーも力強くにぎらないとききません。
最高速は120km/h程度のようですが、実際、70km/hあたりまではそこそこ気持ちよく加速します。
180ccですから、あまり過剰な期待は禁物です。
カスタムパーツ類はあまり販売されておらず、マフラーは何本か出ていますが、それ以外だとあまりめだったものはなく、シートがバグスターから出ているようですが、現物は拝見したことがありません・・・
基本的にワンオフや、汎用品を使ってのカスタムになります。
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